サボテン・多肉植物を楽しむ!その育て方
生まれ故郷を想像してみる!
「サボテン・多肉植物とは?」のページでも述べたとおり、それぞれ大変な数の品種があり、また生まれ故郷である原産地も広範囲に及んでいるため、一言で「この育て方でOK!」という訳にはいきません。 ただサボテンと多肉植物の故郷に共通しているのは、
- 強烈な日照
- 厳しい乾燥地帯、でも雨期がある
- 日中は高温、夜間は低温
という環境です。
そこでここでは、これら原産地の様子を踏まえながら、サボテン・多肉植物の多くに共通した育て方を紹介したいと思います。
育てるポイント! Points to grow
生まれ故郷が特殊な自然環境であるサボテンと多肉植物ですが、ポイントを押さえれば家庭園芸として十分に楽しめます。
大切なことは次の3つ!
- ポイント1 日当たりの良い場所に置く。
- ポイント2 土が乾いたらたっぷり水を与える。
- ポイント3 日中は暖かく、夜は涼しく。
日当たりの良い場所に置きましょう!
サボテンは「太陽の子」と呼ばれるほど日光が大好きです。
日当たりが良く、雨のかからないベランダや軒下などに置きましょう。
できれば朝一番から陽のあたる場所に置くのが理想ですが、難しければできる限り陽が当たる場所で!
サボテンや多肉植物は1日のうち、前半の日照を好みます。
そして西日を嫌うところがあるので、午前中できるだけ早い時間から、概ね15時くらいの間に日光が当たる場所を選んでください。
ここで注意していただきたいことは、「室内よりも戸外に置く」のがおすすめです。
しかも「夜も戸外に置いたまま!」ということです。
サボテンや多肉植物は本来、自然の原野に生きている植物。風通し(大気の流れ)をとても好みます。
また先の原産地の様子でも述べましたが、昼間と夜間の気温の差が大きいほうが喜ぶので、凍結の心配がない限りは戸外栽培をおすすめします。
梅雨も終わり、いよいよ日差しが強くなってきますと、さすがのサボテンたちにもイヤな季節です。
日本の夏は高温多湿。「乾性植物」であるサボテンや多肉植物も参ってしまう時期です。
園芸用に販売されている寒冷紗(かんれいしゃ)などで覆い、日を弱めてやりましょう。
または午前中少し日が当たって、一番日が強くなるお昼前くらいから太陽の動きによって日陰になるような場所に移動してあげるのもいいですね。
特に夏の夜・・人間にとっても熱帯夜で寝苦しい季節です。
サボテン・多肉植物にとって空気の流れはとても大切なので、決して室内に置いたままにはしないでください。
残暑も終わり過ごしやすい気候になったら、また日当たりの良い元の場所に戻してあげましょう。
冬は夜間だけ室内に取り込んでやります。ただし、サボテン・多肉植物の多くは意外に寒さに強いので、霜や雪の心配がない限りは戸外でも耐えるので、慌てる必要はないでしょう(気温5度以上あればほとんどの種類は大丈夫です)。
*ハオルチア属やガステリア属、アストロロバ属などの多肉植物は強い日照を好まないので、「明るい半日影」に置いてください。
水やりは乾いたらたっぷりと!
「水やり」についてです。
お客様からよく、「え?サボテンって水やるんですか?(やってもいいんですか?)」
と言われます。
はいっ、やってもいいどころか、やらなければいけないんです。
サボテン・多肉植物は鉢土が乾いたらたっぷり水を与えてください!
鉢の底の穴から流れ出るくらいたっぷりです!
ただし「季節によって」水やりの頻度は違ってきます。
ここで水やりについて、まず知っておいていただきたいことがあります。
それは「植物と鉢の大きさ・サイズ」についてです。
サボテンも多肉植物もいろいろなサイズの鉢植えが販売されていますよね。
手のひらに乗るくらい小さなものから、移動するのに大変!な大鉢まであります。
ということは、小さな鉢は土の量が少なく、
大きな鉢ほどたくさんの土で植えられているということ。
当然ながら鉢土が乾くのは鉢のサイズ(容量)によって時間的(日数的)に違ってくるわけです。
洗濯物でもハンカチ1枚は早く乾きますが、大きな毛布では時間がかかりますよね。
そこでサボテン・多肉植物の水やりですが、鉢の大きさによって、そして季節別に下記を水やりの目安としてください。
水やりについて
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- 1寸(1号)~2,5寸(2,5号)鉢に植えてあるもの
- 春~夏~秋:4~5日に1回 (*注1)
冬:1週間に1回 (*注2)
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- 3寸~4寸鉢に植えてあるもの
- 春~夏~秋:1週間に1回 (*注1)
冬:10日に1回 (*注2)
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- 5寸~7寸鉢に植えてあるもの
- 春~夏~秋:10日に1回 (*注1)
冬:2週間に1回 (*注2)
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- 8寸鉢以上
- 春~夏~秋:2週間に1回 (*注1)
冬:3週間~1ヶ月に1回 (*注2)
なお、日照条件が同じ場合でも鉢植えに使用されている「培用土」の配合によって乾き方も違ってきます。
上記は弊社オリジナルブレンドの培養土で植えた場合の例となっています。
日当たり条件によって違いは出てきますし、またよく聞くことですが、マンションのベランダなどでは風が強く、とても乾きやすい状況もあるでしょう。
大切なことは、置き場所や鉢の大きさによって乾き方が違ってくる、そして乾いたら水をたっぷり与えてあげる、ということです。
原産地のサボテンや多肉植物は限られた雨期にのみ水を頼っていますが、我々人間が鉢植えとして育てる場合は「ほどよく雨期がやってくる」という環境を作ってあげるわけですね。
注1: 多肉植物の多くは春~秋に成長する、いわゆる「春・秋型」または「夏型」多肉植物ですが、その中には冬期「完全断水」する種類があります。当サイトの「よくある質問」をご覧ください。
注2: また多肉植物には夏に休眠(水やりは控える)し、秋~冬~春に成長する「冬型多肉植物」があります。当サイトの「よくある質問」をご覧ください。
植木鉢について
植木鉢のサイズですが、上部間口の円の直径が「寸(すん)」刻みの規格になっています。(サイズによって5分(ぶ))
これはプラスチック製のものでも陶器でも同様です。そして1寸は約3センチなので、
- 1寸鉢は直径が約3センチ
- 3寸鉢約9センチ
- 5寸鉢は約15センチ
- 2寸鉢は約6センチ
- 3,5寸(3寸5分)鉢は10,5センチ
- 8寸鉢は約24センチ
また、この寸の単位は「号(ごう)」の単位でも扱われているので、2号鉢、3,5号鉢・・・5号鉢・・・10号鉢とも呼ばれます。